子宮頸がんについて

子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん（※）」の2種類があり、膣から子宮をつなぐ入り口にあたる子宮頸部にできるものが「子宮頸がん」と呼ばれます。ここでは、20歳代・30歳代の発症が急増している「子宮頸がん」についてお話しましょう。

「子宮頸がん」は20歳代から30歳代にもっとも多いがんです。

ですが、子宮の入り口の比較的発見しやすい場所であることや、より精度の上がった検査判定基準の確立、そしてワクチンの開発などにより「自分で防ぐことができるがん」であることも間違いありません。正しい知識を持ち、検診をしっかり受ければ、予防・早期発見は可能です。現代において「子宮頸がん」は“予防できる・自分で自分を守ることができる”がんなのです。

※「子宮体がん」は40歳代後半から発症が増え50歳代でピークを迎えます。不正性器出血などの自覚症状も見られます。生活が欧米化したことで、発症率も上がったと言われています。子宮体がんも、定期的な検診を受けましょう。

①HPVウイルス

HPVウイルスとは「ヒューマン・パピローマ・ウイルス」の略で、ヒトに感染するもので約180種類の型があると言われています。その中でも膣内で見かるHPVウイルスは約40種類で、感染原因は性交渉など皮膚・粘膜どうしの接触によるものです。しかも約80％の女性が、一生に一度は感染すると言われています。こう聞くと怖くなるかもしれませんが、HPVウイルスの感染は一時的なものが多く約80％は自然に消失していきます。

自然消失することが多いウイルスですが、消失せず感染が長期化（持続感染）した場合、6年から10年かけて子宮頸がんに進む可能性が出てきます。

子宮頸がんの原因となっている「HPVウイルス」の中でも、「16型」「18型」からの発生が多いことがわかっています。そのため、2009年よりこの二つの型への感染を防ぐ効果のあるワクチン接種が承認されました。

このワクチン接種で、16型・18型の感染を防ぐ効果がほぼ100％得られるため、性交経験がなく、ウイルス感染していない12歳前後での接種が理想的です。この時期に接種できなかった方でもワクチンによる頸がん予防接種があります。ワクチンの効果は10年以上と言われています。詳しくは、おたずね下さい。

※ワクチンはウイルス様粒子を抗原とするため、ワクチンからの感染の可能性はゼロです。