乳房超音波検査(乳腺エコー)

乳房に超音波をあて、視触診で発見したしこりの性状を観察したり、乳腺の状態を調べる検査です。手で触れないようなしこりの発見も可能です。痛みもなく、5~10分程度で終わります。

  • 超音波(エコー)検査のしくみ

超音波とは、人が聴くことができない高い周波数の音波です。この高い音を臓器に当てて、跳ね返ってきた反射を画像に表します。身体に無害であり、リアルタイムで臓器の様子を観察することができます。妊婦さんにも安心して受けていただける検査です。

エコー検査の仕組み

こんな人にお勧めの検査です。

  • マンモグラフィで異常の見つかりにくい若い方や、乳腺の脂肪化の進んでいない方。
  • 過去にエコーで異常があった方

※過去にマンモグラフィで異常があった方・40歳以上の方は、2年に1度はマンモグラフィも受診することをお勧めします。

所見の説明

のう胞 乳腺から分泌された液体が乳管内に溜まり袋状になった良性の腫瘤です。30~50歳代の方に多く、閉経し60歳を過ぎるとほとんどみられなくなります。片側の乳房にできたり、両側の乳房にできたり、いくつもできたりと状態も様々ですが、基本的には経過観察でよいです。
濃縮のう胞 のう胞の内部の液体が血液や乳汁といった濃厚な液体であるものをいいます。内容物の性状が異なるだけなので、のう胞と同じくこちらも良性の腫瘤ですが、内部の見え方によっては、がんとの鑑別が難しい場合もあるため、精密検査が必要となることもあります。
線維腺腫 乳腺にできる腫瘍の中で代表的な良性のしこりです。女性ホルモンの影響で形成されると考えられているため、20~40歳代に多く、特に30歳代で多くみられます。硬くてまわりが歪んでいるものは、がんとの鑑別が難しい場合もあるので、精密検査が必要となることもあります。
葉状腫瘍 線維腺腫とよく似ていますが、しこりが数ヶ月のうちに急速に大きくなることが多いです。基本的には良性ですが、悪性のものもあるため、葉状腫瘍が疑われた場合には、細胞診など精密検査が必要です。結果によっては、切除の必要があるものもあります。
乳管拡張 乳腺の分泌異常により乳管内に分泌物などがたまり、乳管が拡張したもので、良性疾患です。基本的には経過観察でよいですが、症状があったり、乳がんなどの腫瘍と関係している場合は、手術などが必要です。
乳管内乳頭腫・のう胞内乳頭腫 乳管内またはのう胞内の細胞が乳頭状に増殖している状態で、良性の腫瘍です。40~50歳代にもっとも多くみられます。乳頭からの異常分泌が症状として表われることもあります。がんとの鑑別が難しいため、精密検査が必要となる場合が多いです。

『要受診』『要精密検査』と診断された方へ

対象となった検査項目について、自己判断や放置をせずに、速やかに医療機関を受診し、専門医による診断や検査結果に基づいてご自身の健康の再確認をしていただくことが大切です。

  • 当クリニックでは、健診後のフォローアップを、外来診療でお受けしています。
  • 生活習慣の改善のため、医師との連携のもと、保健師・管理栄養士による指導を実施しております。
    (セントラルグループにて健診を受診された方は、無料でお受けいただくことができます)
外来受診・特定保健指導・栄養指導について